◆Obesity Tax(肥満税)

7.jpgNY州で、知事がObesity Tax (肥満税)の導入を提案しましたね。肥満税は、以前から肥満を招くような食品(ファストフードやソーダ、チップスなど)に課税したらどうかと、アメリカで検討されていましたが、今回は、ダイエットソーダ以外の加糖されている炭酸飲料に15%課税しようというもの。例えば、ダイエットコークは1ドルで普通のコーラは、1.15ドルになるということ。導入すれば4億ドルの税収が見込めるという試算なので、NY州の莫大な赤字を解消する(短期的には税収の増加、長期的には医療費の削減)ひとつの手として考えているよう。牛乳、フルーツジュース、ダイエットソーダ、水には課税しないということですが、どうなんでしょう。

そもそも甘いソーダを頻繁に欲するということ自体に、肥満を誘発する芽があると思うので、ダイエットソーダには課税しないというのが効果的なのか私には疑問。動物実験では人工甘味料を与えた動物の方が肥満した、という報告がある点も慎重に考慮したいところ(人間でのエビデンスはありませんし、この研究結果は人工甘味料関係の企業から猛反論されているようですが)。味覚の面でも人工甘味料の甘味はやはり不自然で、日常的に飲むのはどうかと思いますし。

写真の7up(591ml)に使用されている砂糖は62g。グラニュー糖だと大さじ約5杯になります。日本人の1日の砂糖摂取量というのは、労働量などによって違うので一律に決まっていませんが、推奨されているのは1日20g。でもこうした数字を知らなくても、一度に大さじ5杯の砂糖水を飲んだら身体に良くないだろうな、というのは察しがつくと思います。
8.jpgこの課税、もう一つ気になるのは、フルーツジュースは対象にならないこと。果物をとることは健康に有意義なのですが、丸ごと果物を食べるのと違って、ジュースにすると大量に消費できるので、やはり糖分の摂りすぎが気になります。更に、課税されないことで安直に「身体に良い=いくら飲んでもOK」といった意識になると問題。写真の100%オレンジジュースは砂糖添加されていないものですが、240ml中、砂糖は24g(グラニュー糖大さじ2杯)。上の7upと同じ量飲んだら、やはり砂糖の摂取量は60g近くになります(つまり100g中の糖量はさして変わらないということ)。

そもそもアメリカで売られているソフトドリンクは甘過ぎ。何か飲もうと思っても、甘味が添加されていないものを探すのが難しい現状をまず変えて欲しい。でも、甘味を添加してない紅茶飲料など大分見かけるようになりましたし、昔に比べれば変わってきているとは思います。サンフランシスコのスーパーでは、日本のお茶飲料も複数見かけました。こうしたものが、もっとこれから流行ると良いですね。