食や栄養のはなし」カテゴリーアーカイブ

ビタミンDサプリは必要?

6月 30th, 2018 in 食や栄養のはなし

関東は昨日で梅雨明け。随分早い梅雨明けですね。ここ数日は日差しが強いものの、風があるので過ごしやすく、朝の空気感は南国リゾートのようで夏のはじまりにウキウキします。

ところでビタミンDのこと。私が学生時代、20年くらい前にはビタミンDは不足しにくいビタミンとされていました。ビタミンDは魚介類に多く含まれることと、日光に当たることでも生成されるため、実際に当時日本では不足しにくい栄養素だったのだと思われます。

ところが最近は、魚介類を食べる人が減ってきていること、日焼けを避ける傾向があることなどから、日本人でも多くの人が慢性的にビタミンD不足なのではないかと考えられるようになってきています。

ビタミンDは骨の健康にかかわるビタミンとして知られてきましたが、最近では、血中のビタミン濃度がある程度高い人の方が、糖尿病や乳がん、大腸がん等になるリスクが低いことも分かってきており、がせん注目度が高まってきています。

こうしたことから日本でも、ビタミンDサプリが台頭してきていますが、日照時間が少ない国やアメリカでは随分前からビタミンDサプリはとてもポピュラーで、よく売れているサプリです。


ビタミンDサプリ、飲むことで実際に効果はあるのでしょうか?

北欧の研究は、ビタミンDサプリを飲んだ人と、日光浴をした人の血中ビタミンD濃度を比較したところ、ビタミンDサプリを飲んだ人たちも、日光浴をした人と同程度に血中ビタミンD濃度が高まったそうです。

ただ、こうした報告がある一方で、ビタミンDサプリを摂取していても、骨の骨折予防にはならなかったという報告も複数存在します。

また、特定の栄養素を取り出して食品では摂ることが出来ない量の栄養素をサプリで飲んでも、体内ではあまり有効利用されないのではないかという研究結果も出てきている昨今です。

ビタミンDは、魚介を食べること、今の時期の関東地方なら顔と手を、昼間日光に5分程度当てれば不足することはないと考えられます。

ただし、日焼け止めを塗っていたり、窓ごしではダメなので、顔は守りたい場合などは、手や足など他の場所を日に当てるのがおすすめ。私も顔は日焼け止めを塗っていますが、手足はこの時期ちょっとした外出程度なら日焼け止めは塗らず、美容より健康、ビタミンD生成を優先しています。

全身を日焼けから守りたい、という方や冬場には、青背の魚やしらす干しを食べることや、干しいたけ乾燥キクラゲを摂ることでビタミンDは充足できます。


干しいたけはしばらく置いておくとビタミンD濃度が下がってしまうので、食べる前に傘の内側のヒダの部分を上にして1時間ほど天日に当てます。

ビタミンDに限らず、手軽なサプリを飲む前に、まずは生活改善、食事の見直しが大事です。

網戸掃除とプラントパラドックス

6月 26th, 2018 in その他 食や栄養のはなし

網戸掃除、これまで掃除機でホコリを吸ったり、スポンジで洗ったり、固く絞った雑巾で拭いたりと身近なものを使って掃除してみたのですが、いまいちスッキリ綺麗にならない。
なんとか見違えるように綺麗にならないものかと検索して見つけたのが網戸お掃除ローラー。


アマゾンにて498円で購入。
実物は結構小さくて華奢。こんなもので本当に綺麗になるのかなと、半信半疑で掃除してみました。中性洗剤を薄めた溶液に、このお掃除ローラーを浸して、網戸をコロコロします。


みるみるうちに泡立ってきて、ローラーがあっという間にねずみ色に。ついこの間網戸はよく拭いたつもりだったのに、やはり汚れはかなり残っていた様子。

全体をコロコロし終えたら、固く絞った雑巾で両面をささっと拭きます。雑巾が真っ黒になってびっくり。そして網戸はすっきりさっぱり綺麗になって感激!


なんてことない小さなローラーなのですが、この微妙に突起したキラキラが効くのかな。片面からだけでもかなり効果がありましたが、両面やってみました。終わったあとは室内から外を見たときの網戸の存在感が違います。

新聞紙当てて掃除機かけたりしてた時間と労力返して欲しい感じ。ずっと楽だしあっという間に綺麗になります。雑巾で拭くのもさっと泡を拭くだけ(で、泡残りしない)なので簡単。これ考えた方に感謝したい。



去年からアメリカでベストセラーになっている THE PLANT PRADOX、すぐに日本で翻訳本が出るだろうと思っていたのに、なかなか出てこないので諦めてしぶしぶ原書を読んだら、読み終わった途端に翻訳本が出て悲!

アメリカでは去年の4月に発売されて、結構話題にはなっていましたが、まだそこまで流行っていないと今年アメリカに行ったときには感じました。植物に多く含まれるレクチンというたんぱく質が万病の元となっている、といった内容なのですが、どうだろう。グルテンフリーのようにそのうち流行るのでしょうか。
日本ではそこまで流行らないと予想してます。

ところで北米は日本ほどの出版不況では無いのですよね。それどころか紙の本の売上は回復傾向です。あと、プラントパラドックスも、結構堅い本だと思うのですが、こうした読み応えのある本がベストセラーになるところにも文化の違いと羨ましさを感じます。これ、日本が初発だったらこんなに売れなかったと思うな。

ロー(生)マヌカハニーと加熱マヌカとの違いを考える

6月 19th, 2018 in 食や栄養のはなし

先日普通のはちみつの、ロー(生)と加熱したものの成分変化について書きましたが、今日はマヌカハニーにも触れたいと思います。

今どきはマヌカもロー表示のものが出てきているんですね。


このロー表示、何をもってローと表示するか決まりがないようで、そのまま不純物だけざっとろ過してパッケージングしたものと、低温加熱処理したもの、両方ともローと表示できるようです。

普通のはちみつとマヌカハニーの成分で、大きな違いは、マヌカハニーにはメチルグリオキサール(MGO)という成分が多く含まれているという点です。

このMGOは抗菌活性成分のため、マヌカハニーには傷を治したりする効能があるのではないかと期待が持たれているのですが、MGOは熱に強く、例えばコーヒーやココア、チョコレートなどにも含まれています。

ですから、マヌカハニーに最も期待される成分、MGOは加熱しても損なわれないので、ローである優位性は無いように思います。


何でこんなに、ロー(生)はちみつがもてはやされるのか。

私は仕事で、はちみつを扱っているメーカーさんや代理店とのお付き合いもあり、製造に関してや市場をとりまく問題などお話を聞く機会があるのですが、はちみつは、生産者によって品質の違いがかなりある商品だと伺います。

粗悪なものだと、水飴や果糖ぶどう糖液糖をこっそり加えて、粘度を上げるために加熱して水分を飛ばすという加工処理をしたものが、市場に出回っているという現実があるようです。

ロー(生)が良い、という意見の一部には、こうした粗悪(というかニセ)はちみつとは違い、純度100%のはちみつなのだ、ちゃんと蜂が作ったはちみつを集めてパッケージングしたものなのだ、ということを主張したい気持ちが行き過ぎて、加熱はちみつより良いのだ、という論調になっているものがあるように思います。

でもローなら品質が損なわれなというわけでもなく、30度で6ヶ月保存してたはちみつより、70度で2時間加熱処理したものの方がHMF(はちみつの劣化の判断に用いられている有機化合物)が少ないとニュージーランドのはちみつメーカーのAirborne Honeyが報告しています。

ローハニーブームで私が思っていることは、

1,期待するほどローハニーと普通のはちみつと栄養の差はない

2,加熱処理=ダメ、という考えだと、品質管理を厳しく行っている良質なはちみつメーカーのはちみつも否定することになり、消費者、生産者のどちらにとっても特にならない

ということです。

はちみつ業界は、結構闇がある業界で、必ずしも良質のはちみつだけが出回っているわけではないのが、問題をややこしくしているんですよね、、、

良質なはちみつを買う秘訣、まずはあまりにも安いものには注意。低温で固まらないものにも注意(ただし、花の種類によりもともと固まりにくいものもある)。これらは水増しされているはちみつの可能性ありです。

一番良いのは顔の見える生産者で、生産方法なども公開されているところから買うことでしょうか。あと、本物のはちみつは、植物により本当に味や香りが全く違うので、よくティスティングして好みの味や香りのものを見つけて楽しむというのもひとつの予防策かと思います。

ちなみに、全国はちみつ公正取引協議会に加入している生産者は、「生」という表示をはちみつに付けることを規約で禁じられています。なので、実は国産はちみつには、意外と「ローハニー」なものもあるのかも知れません。

からだに良い食品、悪い食品なんてない

6月 18th, 2018 in 食や栄養のはなし

今朝の地震で、多くの方が怪我をされたり、まだ混乱も続いている様子、どうかこれ以上何も起こりませんよう、早く日常が戻りますよう祈っております。

ここ数日地震がよく起こるな、と思っていたらこんなことになってしまい、自然災害が起こる度に人間にはどうにもできない自然の脅威に無力感を感じます。

また、こうした災害、非常事態が起こる度に感じるのは、非常用食品をはじめ、賞味期限の長い食品や、お湯をかけるだけで食べられるようなインスタント食品などのありがたさです。

添加物によって賞味期限を伸ばしている食品や、インスタント食品、砂糖たっぷりのお菓子などは、とかく健康に良くないと、「からだに悪い食品」のやり玉に上がって批判を受けることがありますが、ライフラインが止まった状況では、キャラメルがたっぷり入ったチョコレートバーは、空腹をなだめ、命をつなぎ、気持ちの落ち着きとやる気をくれる、素晴らしい食品になります。

お湯が沸かせる状況なら、温かいインスタント麺は、本当にありがたく、命も気持ちも救ってくれるでしょう。

どんな食品にも良い面、悪い面があって、それは時と場合、量によって変わります。ですから、からだに良い食品、悪い食品という分け方はしっくりこないので、私はこうした表現には抵抗があり、自主的には使わないようにしています。

とにかく、被災された方々に安全と平和が早く訪れますよう。

生(ロー)はちみつは何が違うのか

6月 16th, 2018 in 食や栄養のはなし

3年前くらいからか、よく見かけるようになってきたRaw Honey。はちみつが生ってどういうこと?と最初思いましたが、製造工程で非加熱、あるいは40度程度の低温加熱を行ったものをローハニーと呼んでいるようですね。

日本でも高級スーパーなどで、結構ローハニー表示のはちみつが置かれるようになってきましたし、健康意識高い系の女子たちからも「このはちみつはローだから」といった発言が聞かれるようになったこの頃です。


ローハニーと加熱はちみつ何がそんなに違うのか、何でそんなにもてはやされているのか。

ローハニー×効能などのキーワードでネット検索すると、

1.生はちみつだと酵素がとれる。

2.腸内環境を整えるグルコン酸が豊富(加熱はちみつに比べて)

3.ビタミンやミネラル、ポリフェノールも豊富(加熱はちみつに比べて)

といった内容を書いているサイトが多く、加熱すると大事な栄養が失われてしまうから、ローハニーが良いという論調が多いようです。

しかしながらですね、まず、グルコン酸とポリフェノールは熱に強いので、加熱では減りません。

あと、はちみつには熱に弱いパントテン酸などのビタミンも含まれていますが、もそもハチミツに含まれているビタミンはごく微量なので熱による損失を気にするレベルではないかと思います。

酵素とミネラル、ポリフェノールに関しては、米国蜂蜜協会が、はちみつの加工による栄養変化を調べています。

下の表は、室温55度の貯蔵庫で3日間保存して、85度で5分加熱したあと、ろ過して60度まで冷却してからパッケージングした加工はちみつと、加工前のはちみつとの栄養変化を見たものです。



※ミネラルとポリフェノールは大さじ1杯(21g)あたりの量

確かに酵素は減ってますね。
酵素は50〜60度くらいで失活するのですが、ただ、全部失活するわけではなく半分くらいは残っていますね。
ミネラルと抗酸化能(ORAC)は熱処理によって微増。これは水分変化が多少関係あるのかも知れませんね。

この他、同研究では他の加熱とろ過方法での変化も見ていますが、そちらは酵素の減少率は更に低く、失活するのは15%ほど。

ただ、生の酵素は食品で摂り入れても、どのみち胃酸で分解されてしまって生のまま摂る必要ないわけですから、この研究の結果を見る限りでは、加熱しているはちみつより、加熱していないはちみつの方が栄養が豊富で健康にいいとは言えないですね。

はちみつを加熱ろ過するのが、まるで悪いことにように言ってローハニーを宣伝しているところもあるのですが、加熱ろ過するのは、不純物を取り除いたり、とろみを保ったり、流通過程で発酵して品質が劣化しないように安定させるためです。

ローハニーは大事に手で採取されているから、という手作り感を強調しているものもありますが、加熱はちみつも小さな養蜂場で大事に手詰めされているもの、たくさんありますよ。


はちみつは、蜂が蜜を採取してくる植物によってかなり成分が異なります。生か加熱しているかより、どんな植物から採取してきているかの方がずっと栄養価を左右します。
と言っても、はちみは甘味料、たくさん食べれば糖分のとり過ぎになりますし、薬ではないので栄養価や効能に過度な期待はせずに、日々の生活に潤いをもたらす美味しいものとして楽しむのが一番かと思います。