長崎に行ったときによく行くのは、卓袱料理屋さんの青柳、花月、坂本屋さんです。
どちらも祖父がお世話になっていたお料理屋さんで、私もそれぞれ懐かしい思い出があるお店なのですが、今回は日程の関係で青柳さんにだけうかがいました。

a3

卓袱料理はかなり中華や西欧の影響を受けている長崎独特の宴会料理で、いろいろ独自のルールがあります。

卓袱料理まずは最初にお鰭椀からはじまめます。
お鰭椀は、挨拶や乾杯より先にいただきます。
宴会には遠方からお腹ペコペコで来られる方もいらっしゃるので、挨拶より先に少し落ち着くものを何かお腹に入れておく、という心遣いだそうです。なのでお鰭椀には小さなお餅が入っています。

a2

そして卓袱料理は、1人盛りではなく、大皿料理でそれを仲良く分け合っていただきます。お取り箸も本来NGで、自分のお箸で(裏箸もダメ)取り分けます。こうすることによって、円卓を囲む人たちの親交を深めるという南の地方らしい気取らない楽しい食事のきまりです。取り分けるお皿は2皿で、最後までこの2皿を使っていただきます。

奥にお刺身の盛りあわせがあるのですが、うっかり撮り忘れました。長崎はお刺身は絶品です。どこで食べても絶対美味しくて、長崎に住んでいる人が羨ましいです。

青柳さんは円卓も食器の柄もすべて網目文様です。
これは、昔網目文様のお椀でごはんを食べると中風(脳卒中)にならないとう言い伝えがあったからだそう。

a4

お刺身やらアラの湯引きやらお豆やら、たくさんの小菜の後に出てくる中鉢のパスティ。
中は鶏肉や長芋、ぎんなんなどをかなり甘く煮付けたものです。砂糖はかつて貴重品だったので、「おご馳走」は大抵甘い味付けです。この後、東坡煮や海老の大鉢などがまだまだ出てきて、最後はご飯と水果、そしておしるこです。
食べきれない量が出てくるのも中国文化の影響なのかな?

a10

青柳さんは北村西望先生が愛したお店として有名ですが、弟子である祖父との合作の軸が残っています。
上の字が西望先生の手による「添いとげましょう 骨になるまで」で、下の魚の骨の絵が祖父によるものです。

a11

青柳さんには西望先生の作品がいっぱいに飾られたお部屋もあります。

西望先生の代表作は何といっても平和祈念像ですが、この作品製作は当初祖父富永直樹に依頼が来たものだったのですが、西望先生のご希望により西望先生が作成されることになり、先生を大変尊敬していた祖父が誠心誠意お手伝い申し上げた、私たちに家族にとっても非常に思い入れの深い作品です。

Share: