パクリタキセルによる痺れ予防その②

昨日のパクリタキセルによるしびれ予防の続きです。

パクリタキセル(タキソール、アブラキサン)など
タキサン系の抗がん剤投与による、
手足のしびれの副作用を防止する方法のひとつ、
小さいサイズの手術用手袋を使う研究は、
大阪赤十字病院と、京都大学関連施設で行われたものです。
Breast Cancer Res Treat (2016) 160:61–67
DOI 10.1007/s10549-016-3977-7

この研究では、
乳がんの患者さんに、パクリタキセル投与前後90分間
利き手だけに小さめの手術用の手袋を
2枚重ねで着用してもらうことで、
手への血流を圧迫阻害して、
手袋をしていないもう片方の手に比べて
しびれの副作用が予防できるかを調べています。
(実験対象者42名)

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研究結果
しびれ感の出現率:

手袋をした手 21%

手袋をしなかった手 76%

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この結果を見ると、多くの方で
手袋をして血流を阻害した手の方が
しびれの副作用が出にくかったことが分かります。

実験の概要などは、
日本癌治療学会の学会抄録アーカイブ、
http://archive.jsco.or.jp/detail.php?sess_id=8111
に発表内容が記載されているので御覧ください。

同研究は、両手に手袋を着用する方法に変えて、
現在第3相の治験が行われているようなので、
広く臨床の場で採用される日も近いのかもしれません。

つづく