想いやり牛乳は、日本で唯一生のまま(加熱殺菌する必要がない)飲める牛乳だそう。京都では私の知る限り、藤井大丸のタベルトに毎土曜日入荷します。
濃厚でやわらかい口当たり。
私は絞り立ての牛乳を飲んだことがないので、「こういう味なのかな?」と思いを馳せながら、ありがたくいただいています。
嬉しいことに下記サイトからお取り寄せもできるようです。
ところで牛乳ですが、一時期話題になった牛乳有害説、まだ時々ご質問をうけることがあります。
大別すると良く聞かれるのは以下の三つ。
○牛乳を飲むと骨粗鬆症になる? ○牛乳はがんの原因になる? ○ホモナイズ、高温殺菌牛乳は良くないのか?
まず○牛乳を飲むと骨粗鬆症になるか?に関しては科学的にこの説を肯定するに足る根拠は乏しいと思います。もともと、牛乳を多く消費する国に骨折が多い、という研究が根拠とされているようですが、この研究では骨の形成にかかわる日照時間に関して考慮されていませんし、人種による骨格の違いに関しても考慮されていないので根拠としては弱いでしょう。
○牛乳をとるとがんの原因になる?に関しては、2007年世界がん研究基金発表のレポート(1960年以降に行われた研究50万件超から7000件を解析したもので、このレポートが疫学界では主流見解となります)によれば、牛乳の摂取はおそらく結腸がん、直腸がんのリスク軽減につながるであろうというのが牛乳に関する見解で、牛乳ががんのリスクを高めるという見解は持たれていません。
さて○ホモナイズ、高温殺菌牛乳に関してですが、もちろん美味しさを大切にするなら、想いやり牛乳のような絞り立てや、なるべく手を加えていないものの方が良いかも知れません。ただ、多くの人々が、安定して安価で栄養の高い食品を得られるようにするというのは、非常に重要なことです。もちろん利益ばかりが先行し、乳牛に過剰な負荷がかかることはくい止めなければならないと思いますが、どこにいても安価に牛乳を手にすることが出来るということもまた、私たちにとって生命をつないでいく上で価値あることと思っています。
どんな食品もそうですが、過ぎれば健康を害しますし、人によって体質や体調に考慮して食品を選ぶことは必要(体質に合わないものを無理に食べる必要はもちろんありません)。
「○○は身体に悪い」と短絡的な受け止め方は賛成できませんし、長きに渡って人々が食べ、命を繋いできた食品に関しては特に、科学的研究も、複数の長期疫学研究のエビデンスを重んじたいと考えています。