抗がん剤によるしびれ予防セルフケア

私の友人は、スキルス性胃がんの再発後、
抗がん剤治療は、
ファーストラインでオキサリプラチン、
セカンドラインでパクリタキセルを受けました。

オキサリプラチン(エルプラット)も
手足の痺れなど、
末梢神経障害が副作用として出ることが知られています。

こうした末梢神経障害がなぜ出るのか、
メカニズムの詳細が分かっていないとのことなのですが
(国立がんセンターがん情報サービスより)、

パクリタキセルの副作用予防研究からは、
手足への血流を阻害することが、
しびれ予防に効果的なことが分かります。

抗がん剤は、血液に乗って全身の血管隅々まで届き、
それによってどこにいるか分からないがん細胞をも
攻撃するわけですが、例えば胃がんの場合、
手足の先にがんが転移するということは、
まず起こらないことだと思われます。

ですから、手足の先まで抗がん剤が行き届かなくても
治療そのものには差し支えないはず。

オキサリプラチンでパクリタキセルと同様の効果が
得られるかは分からないけれど、
チャレンジしてみても、
治療には差し支えることもなさそうだし、
予防効果が得られればラッキー。

以上のように考え、
ファーストラインのオキサリプラチンから
友人はしびれの副作用予防のために、
抗がん剤投与の際に、
手足への血流を阻害することにしました。

主治医への了解はもちろん得ました。
また、友人は薬剤師だったので、
薬剤の作用機序については詳しく、
更に、製薬会社の方の意見も仰いだ上での自己判断でした。

冷却グローブによる副作用予防は、
自分で用意して持ち込むのは難しいので、
圧迫による方法を取ることにしました。

ただ、手術用の手袋の小さいサイズというのも、
手術用手袋をいくつか取り寄せてみないと、
どれが自分にとって
ちょうど良い圧迫具合になるかが分からないので、
これもそこそこハードル高いんですよね。

のんびり手術用手袋を
取り寄せている時間もありませんでした。

抗がん剤治療というのは、
前もってゆっくり準備して臨めるというものでもなく、
がんが発覚して、治療に対する心の準備とか、
治療への理解など備えができないうちに、
あれよあれよという間に始まってしまうんですよね。

そこで、身近にあってすぐに用意できるものでの圧迫を考え、
指サックと輪ゴムを使って、
とりあえず手足の指先を締めることにしました。

締め付け具合は、
小さめの手術用手袋の圧迫具合を想定して、
指先がやや冷たくなるくらいの締め方、

ちょうどバンドエイドなどをちょっとキツめに
指に巻いてしまったとき、
指先が白く冷たくなってしまう時くらいの感じを目指しました。

ゆくゆくは手術用手袋を取り寄せることも考えていたのですが、
結局この方法が簡単で、
彼女にとってやりやすい方法だったので、
ずっとこの圧迫法で治療を受けることになりました。

研究では抗がん剤投与の前後30分と併せて
血流阻害していますが、
彼女は抗がん剤前後の点滴でも締めていました。
これは特にねらいがあってのことではなく、
点滴途中に眠ってしまったりするので、
自分で圧迫の時間を管理するが難しかったためです。

その結果、
オキサリプラチンを受けて4ヶ月後くらいからは、
冷たいものに手先が敏感になりピリつくという症状が
少し出たものの、しびれの症状は全く出ませんでした。
(オキサリプラチンの投与期間は半年ほど)

また、パクリタキセル(投与期間は3ヶ月)でも
手足のしびれは出ませんでした。

また、どちらの抗がん剤でも爪への障害は出ませんでした。
※パクリタキセルでは爪の色がほんの少し黒ずみました

つづく