去年の話でごめんなさい。類は友を呼んで、私の友人は食いしん坊ばかりなのですが、その中でも一番の食べることが大好きな友人が、師走の京都に遊びに来てくれたときの回想を。
1日目のお昼は恒例のなかひがしさんへ。
八寸は冬の味覚が色とりどり。手前のふきのとうの苦みや、黒豆の枝豆の食感が素敵でした。お隣はむかごのおこわに蟹の葛あんをかけたもの。もっちり熱々。
このお椀が最高でした!白味噌仕立てで中にはとち餅が。後日この組み合わせが気に入り、家でもまねしてみました。焼き物はさわら。手前の野生の酸っぱいみかんをかけて、堀川ごぼうをアクセントにいただきました。
鯉のお造り。実はあまり鯉が得意ではないのですが、これは本当に美味しくいただけました。川魚の臭みは全くなく、歯ごたえに夢中。さらにビーツの寒天といただくという、奇想天外かつ素敵なマリアージュに痺れました。ここでぽっちり、炊き上がる寸前のごはんが出てきます。やわらかく、しっとりとして熱々。
煮物の上に乗っているのは里芋を揚げたものです。これが煮物のアクセントに。 鴨ともろこと悩んだあげく、鴨に。鴨はジューシーで、やっぱり鴨にして良かったわー、と思いつつ、もろこも子持ちで何と美味しそうと、諦めきれずじっとりした視線を送っていると、「もろこもいかがですか」と優しいお言葉。しかしどうにもこうにも満腹で断念。無念。
和え物とめざしのお食事セット。このおくどさんで炊いたごはんを食べるのも、なかひがしさんへ来る楽しみです。
おこげは、フレークソルトでいただきます。もうお腹ははちきれそうですが、香ばしいお焦げはやっぱり食べたい。最後の水菓子も吊し柿に野いちごがのっていて季節をいただいている幸せを感じつつお食事は終了。
こちらに伺うたびに、食事とは、
季節をいただく、命をいただくということだと感じます。
それと同時に、真摯かつ情熱的な料理への取り組みをなさっている姿勢に、
「私ももっと頑張って生きないと」と活が入ります。
上記のお昼のコースは7350円。
予約は、予約したい月の1ヶ月前の1日の午前8時から電話受付です。
草喰なかひがし
京都府京都市左京区浄土寺石橋町32-3
075-752-3500
12:00?13:30、18:00?19:30 月休
祇園から空いていればタクシーで10分?15分くらい。
となりの漆屋さんも素敵なので覗いてみてください。