銀座のLIXILギャラリーで開催されている、「ふるさとの駄菓子-石橋幸作が愛した味とかたち-」展に行ってきたのですが素晴らしかったです。
仙台の飴屋「石橋屋」の二代目、駄菓子職人だった石橋幸作さんによる駄菓子研究の一部が展示されています。
石橋さんは江戸時代からの駄菓子の歴史、文化史を丹念に調べ、全国各地を周り、地道に聞き取り調査を行って、それを詳細に絵と文章で書き残されています(これが本当に絵がお上手で達筆で、素晴らしいのです)。また、紙粘土を使って昔の駄菓子を考証復元もされています。
駄菓子は、白砂糖を使った上等な上菓子に対し、水飴や黒砂糖を使った庶民向けのお菓子を指します。江戸時代までは白砂糖は本当に貴重なものだったので、白砂糖を食べることが出来る人たちはごく一部。庶民には駄菓子が愛され、各地の風土や文化に合わせてさまざまに発展していきました。
薬駄菓子というのがあったということを初めて知りました。こうした薬効をうたう菓子は、江戸時代は薬商が扱うものだったそうです。
肉桂を使ったものや、しその花を使ったもの、生姜やハッカを使ったものなど。今ののど飴などにも通ずるものもあります。
飴細工の模型。昔は今からは考えられない奇抜な意匠の吹き飴があったようです。こういうの再現したら観光客の方にもウケそう。
ギャラリースペースは小さいのですが、とても見ごたえがある展示と、石橋幸作さんの情熱とセンスに打たれ、何度も見返したくてブックレットを買って帰りました。
明治村にたくさんの考証再現した駄菓子などが保存されているようです。また駄菓子に関する本も残されているとのこと、じっくり拝見したいと思います。
銀座のLIXILギャラリーでの展示は8月25日まで。