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生(ロー)はちみつは何が違うのか

6月 16th, 2018 in 食や栄養のはなし

3年前くらいからか、よく見かけるようになってきたRaw Honey。はちみつが生ってどういうこと?と最初思いましたが、製造工程で非加熱、あるいは40度程度の低温加熱を行ったものをローハニーと呼んでいるようですね。

日本でも高級スーパーなどで、結構ローハニー表示のはちみつが置かれるようになってきましたし、健康意識高い系の女子たちからも「このはちみつはローだから」といった発言が聞かれるようになったこの頃です。


ローハニーと加熱はちみつ何がそんなに違うのか、何でそんなにもてはやされているのか。

ローハニー×効能などのキーワードでネット検索すると、

1.生はちみつだと酵素がとれる。

2.腸内環境を整えるグルコン酸が豊富(加熱はちみつに比べて)

3.ビタミンやミネラル、ポリフェノールも豊富(加熱はちみつに比べて)

といった内容を書いているサイトが多く、加熱すると大事な栄養が失われてしまうから、ローハニーが良いという論調が多いようです。

しかしながらですね、まず、グルコン酸とポリフェノールは熱に強いので、加熱では減りません。

あと、はちみつには熱に弱いパントテン酸などのビタミンも含まれていますが、もそもハチミツに含まれているビタミンはごく微量なので熱による損失を気にするレベルではないかと思います。

酵素とミネラル、ポリフェノールに関しては、米国蜂蜜協会が、はちみつの加工による栄養変化を調べています。

下の表は、室温55度の貯蔵庫で3日間保存して、85度で5分加熱したあと、ろ過して60度まで冷却してからパッケージングした加工はちみつと、加工前のはちみつとの栄養変化を見たものです。



※ミネラルとポリフェノールは大さじ1杯(21g)あたりの量

確かに酵素は減ってますね。
酵素は50〜60度くらいで失活するのですが、ただ、全部失活するわけではなく半分くらいは残っていますね。
ミネラルと抗酸化能(ORAC)は熱処理によって微増。これは水分変化が多少関係あるのかも知れませんね。

この他、同研究では他の加熱とろ過方法での変化も見ていますが、そちらは酵素の減少率は更に低く、失活するのは15%ほど。

ただ、生の酵素は食品で摂り入れても、どのみち胃酸で分解されてしまって生のまま摂る必要ないわけですから、この研究の結果を見る限りでは、加熱しているはちみつより、加熱していないはちみつの方が栄養が豊富で健康にいいとは言えないですね。

はちみつを加熱ろ過するのが、まるで悪いことにように言ってローハニーを宣伝しているところもあるのですが、加熱ろ過するのは、不純物を取り除いたり、とろみを保ったり、流通過程で発酵して品質が劣化しないように安定させるためです。

ローハニーは大事に手で採取されているから、という手作り感を強調しているものもありますが、加熱はちみつも小さな養蜂場で大事に手詰めされているもの、たくさんありますよ。


はちみつは、蜂が蜜を採取してくる植物によってかなり成分が異なります。生か加熱しているかより、どんな植物から採取してきているかの方がずっと栄養価を左右します。
と言っても、はちみは甘味料、たくさん食べれば糖分のとり過ぎになりますし、薬ではないので栄養価や効能に過度な期待はせずに、日々の生活に潤いをもたらす美味しいものとして楽しむのが一番かと思います。