◆昆布・ワカメで被曝予防は期待できない

昆布やワカメで被曝が予防できるかに関しては、厚生労働省が、はっきりと「期待できない」と公表していることが報道でも随分取り上げられているようなので、大丈夫だと思うのですが一応書いておきます。

海藻類では期待できない理由は、海藻が実際に消化吸収を経て、どのくらいヨウ素が甲状腺に取り込まれるか、個人差や海藻自体の個体差もあり不明なことや、実際に甲状腺がんの発症が心配されるほどの大量被曝の場合、予防に必要な量を海藻類で摂取することは難しいので、被曝予防はやはり安定ヨウ素剤の服用が一番。

ちなみに安定ヨウ素剤を服用する場合、13歳以上40歳未満の場合1日にヨウ素量76mgなのですが、これを昆布(乾燥)で換算すると約70gくらい。こんなに昆布を食べたら間違いなく消化不良を起こし、ヨウ素吸収どころではありません。

ところで、厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準2010年版」によると、日本人の1人1日当たりのヨウ素平均摂取量は約1.5mg。18歳以上の男女の摂取上限は2.2mg(年齢別上限値はこちらの5頁)となっています。

私は水に対して2%目安の昆布で取った出汁を1日に200ccくらい摂取しているのですが、これだと既に約2.5mgくらいのヨウ素を1日に摂ってることになり、摂取上限をオーバーしてます。ワカメ入りのおみおつけにしたら更にオーバー。何が言いたいかというと、そもそも日本人はヨウ素はよく摂っているのです。むしろヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能低下などを心配した方が現実的なくらい摂っています。

なので、これまでの生活以上に頑張って海藻を摂ったところで、放射性ヨウ素被曝予防は期待できません。また40歳以上の人(妊婦さんは除く)は放射性ヨウ素による甲状腺がんのリスク上昇はありません。海藻類を予防になると思って食べ過ぎて、体調を悪くされる方がいませんように。